どうもフユトです。
皆さんは引っ越しの際に何か値下げ交渉はしましたか?
引っ越しの初期費用は家賃の4~5ヵ月分と言われており、
なるべく安く抑えたいと思うのが普通ですよね。
しかし、家賃や家電を値切る人はたまにいますが、
不動産会社に支払う仲介手数料で値下げ交渉をする人はあまり聞きませんよね。
そもそも値下げ可能なのか?
仲介手数料って何のお金?
と思った人も大勢いると思います。
先に言いますが、
仲介手数料の交渉は可能です。
しかし、かなり困難でもあります。
また、交渉ではなく、
始めから仲介手数料を安く設定している不動産会社があることをご存じですか?
今回の記事は、以下のことについて詳しく丁寧に解説していきます。
・仲介手数料の相場
・仲介手数料の上限
・仲介手数料を安く設定している不動産会社
・仲介手数料を安く設定できる理由
・仲介手数料を安くするメリットとデメリット
・仲介手数料の値下げ交渉をした結果
この記事を読むことで、仲介手数料にとは何か。
そして、仲介手数料を安く抑える方法について知ることができます。
仲介手数料について
初期費用をなるべく抑えたいときに重くのしかかるのが、この仲介手数料。
仲介手数料とは?
そもそも仲介手数料とはなんぞや?
てな訳ですが、
物件の紹介や案内、契約条件の交渉、契約のサポート等をしてくれた不動産会社(仲介会社)にお礼として支払う料金の事です。
皆さんが物件を探すとき、
まず始めにすることは条件に合った物件をネットで検索することではないでしょうか?
そこで良い物件を見つけられたら、
次にすることは、その物件を取り扱っている不動産会社にアポイントをとることです。
有名どころとして
- アパマンショップ
- ハウスコム
- エイブル
- ミニミニ
などが挙げられます。
上記のような不動産会社は
物件の見学や重要事項の説明、契約の締結など、借主(自分)と貸主(家主)の間に入り、仲介をすることを生業にしており、その対価として私たちが支払うお金が仲介手数料です。
仲介手数料の相場は?
仲介手数料は、不動産会社の仕事に対する正当な報酬ですが、
金額を自由に決められるわけではありません。
上限は家賃1ヶ月分+消費税
「宅地建物取引業法」という法律で
仲介手数料は家賃1ヶ月分の1.1倍までとする。
と定められています。
家賃6万円の物件でしたら
6万×1.1倍=66000円を不動産会社に支払うという事です。
この1.1倍の内訳が家賃1ヶ月分+消費税(10%)という事です。
つまり、
消費税が8%だった2019年10月以前までの仲介手数料は家賃1ヶ月分の1.08倍。
消費税が増税されるほど、仲介手数料も上がっていくという訳ですね。
借主だけが家賃1ヶ月分+消費税を払うの?
借主(自分)と貸主(家主)の間に入り、仲介をすることを生業にしており、
その対価として私たちが支払うお金が仲介手数料です。
本来ならば借主(自分)と貸主(家主)の両方から仲介手数料を取るべきなのです。
借主(自分)と貸主(家主)の両方から1.1倍ずつ取ってるんじゃないのか?
と思う人もいるかもしれませんが、それは違います。
- 宅地又は建物の賃借の媒介に関して依頼者の双方から受け取ることのできる報酬の額の合計額は、当該宅 地又は建物の借賃の1ヶ月分の1.1倍に相当する金額以内とする。
- この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けとることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の1ヶ月分の0.55倍に相当する金額以内とする。
となっており、分かりやすくに説明すると
・仲介手数料は借主(自分)と貸主(家主)合わせて家賃1ヶ月分の1.1倍以内
・承諾なしに借主(自分)または貸主(家主)の一方から家賃1ヶ月分の0.55倍以上の
仲介手数料を受け取ってはいけない
仲介手数料全額、家賃1ヶ月分の1.1倍を借主(自分)に請求してきます。
どちらからいくらの仲介手数料を受け取ろうと不動産会社の利益は変わりません。
であれば、
貸主(家主)の負担を大きくすることは、その貸主(家主)の所有する物件の全てを仲介させてもらえなくなるリスクがあります。
家賃半月分+消費税のケースも?
仲介手数料=借主(自分)0.55倍+貸主(家主)0.55倍=1.1倍のケースもあります。
これまでも説明してきたように多くの不動産会社は
仲介手数料の全額を借主(自分)に請求してきます。
しかし、
貸主(家主)に半額を負担してもらうことで借主(自分)の負担も半額になるケースもあります。
この場合は、貸主(家主)の「空き部屋をなるべく早く埋めたい。」といった思いから不動産会社に仲介手数料の半額を支払っています。
仲介手数料がネックでいつまでも入居者が決まらず、家賃収入が入って来ない方が、貸主(家主)には損失ですからね。
仲介手数料が無料の物件も?
不動産会社所有の物件。
仲介手数料とは不動産会社が請求できる正当な報酬であり、これが無料になることは一部例外を除いて、基本的にはありません。
では、その例外とはなんなのか。
【貸主(家主)が全額払っている】
先ほど、貸主(家主)が仲介手数料の半額を払っているパターンを紹介しましたが、
これは貸主(家主)が仲介手数料の全額を払っているパターンですね。
あまり多くあるケースとは言えませんが、長らく借主が見つからない物件ではこういったケースもあります。
【AD付き物件】
これは貸主(家主)が物件を優先的に紹介してもらう報酬として
仲介手数料の代わりに家賃1ヶ月分に相当する額(またはそれ以上)を広告費として不動産会社に支払っている
【自社物件】
これは読んで字の如くですが、
不動産会社自身が物件を所有している貸主(家主)であるため、「仲介」ではなく、直接契約となるため仲介手数料はかからず、借主(自分)が見つかることで家賃収入が見込めるため無料となっています。
仲介手数料を安く抑えられる不動産会社
始めから仲介手数料の安さを売りにしている不動産会社があります。
仲介手数料が半額の不動産会社
仲介手数料を相場の半額に抑えられる不動産会社として
が代表として挙げられます。
(引用:ミニミニ)
(引用:エイブル)
エイブルやミニミニのような不動産会社では
貸主(家主)が仲介手数料の半額を払っていたり、
貸主(家主)から仲介手数料の代わりに広告料をとっているため、借主(自分)の負担は半額となります。
上記のように始めから、
仲介手数料半額を謳っている不動産会社でしたら「交渉」という気苦労が無いため楽ですね。
仲介手数料が半額になるのは直営店のみ
ここで1つ注意点があります。
エイブルとミニミニには本部が経営している直営店と、
個人や地域の不動産会社が
本部にロイヤリティ(お金)を支払って
エイブル・ミニミニとして営業をしているフランチャイズ店があります。
フランチャイズ店では、
取り扱っている全ての物件が仲介手数料が半額という訳ではないので、
気に入った物件の仲介手数料を知りたい場合、各店舗に問い合わせが必要となります。
フランチャイズ店の見分け方
直営店とフランチャイズ店の見分け方は、
エイブルの場合、店舗名の前に
- 「エイブル」と付いているのが直営店
- 「エイブルネットワーク」と付いているのがフランチャイズ店です。
ミニミニの場合、店舗名の前に
- 何もついていないのが直営店
- 「FC」と付いているのがフランチャイズ店
また、ロゴの動物が
- 「ワニ🐊」=直営店
- 「ウサギ🐇」=フランチャイズ店
となっています。
仲介手数料が無料の不動産会社
仲介手数料を無料に出来る不動産会社として
が挙げられます。
※UR賃貸住宅は正確には他の不動産会社とは全く別物ですが、
ここでは公営賃貸物件の管理会社くらいの認識で大丈夫です
(引用:エイブル)
(引用:UR賃貸住宅)
エイブルの場合は、
仲介手数料が無料の物件も一部取り扱っている。
という感じですが、
UR賃貸住宅の紹介する物件は全て仲介手数料が不要です。
その理由は、
UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)という公的機関が管理・提供する賃貸住宅のため、貸主(家主)や仲介会社を挟まない直接契約であるためです。
ここで挙げた以外にも、仲介手数料が無料の不動産会社や物件はありますので、
初期費用を何としても抑えたい方は調べてみて下さい。
仲介手数料を安く抑えるメリット・デメリット
メリット2つ、デメリット3つを紹介します。
メリット
①初期費用を安く抑えることが出来る
これがほぼ全てですよね。
引っ越しの初期費用は個人や物件によっても異なりますが、家賃の4~5ヵ月分と言われています。
仲介手数料を始め、敷金、礼金、クリーニング代の支払いや
家電や食器、収納や食材など揃えなくてはいけないものがいくらでもありますから、その初期費用が安く抑えられるに越したことは無いですよね。
②浮いたお金で必要なものを購入できる
例えば、家賃6万円の物件で仲介手数料が
相場の66000円➡半額の33000円になったとします。
すると、33000円浮いたことになり、
その分、ベッド、冷蔵庫、洗濯機、TV等の購入費に回すことが出来ます。
せっかくの新生活ですから自分の納得のいくものを揃えたいですよね。
ダイソンのドライヤーは髪を乾かす時間を大幅に減らしてくれ、QOLが爆上がりするのでお勧めです。
デメリット
仲介手数料の安いすべての物件に当てはまるわけではありません。
①仲介手数料以外が高く設定されている可能性がある
これは頭の片隅に入れておいてほしいのですが、
仲介手数料が安いという事は、貸主(家主)の負担が増えている場合があります。
そのため、代わりに家賃が高く設定されている可能性があります。
また、仲介手数料の代わりに
- 敷金
- 礼金
- クリーニング代
- サポート料金
- 火災保険
- 鍵の交換費用
- 書類作成費用
等の費用が相場より割高になるケースがあります。
上記のような料金に関しては他の不動産会社や周辺の物件と比較して、判断しましょう。
②対象となる物件数が少ない
貸主(家主)が仲介手数料の半額、または全額を負担してくれる物件や、
不動産会社の所有物件などはそもそも数が限られるため、自分の住みたい物件と条件が一致しない場合があります。
僕も1人暮らしを始める際に、
- ミニミニ
- エイブル
には行きましたが、自分の伝えた条件と一致する物件は見つからず、
他の不動産会社へ行き、
同じ条件を伝えたところミニミニやエイブルでは紹介されなかった物件が出てきたため、そこの不動産会社で契約をした経験があります。
そこの不動産会社も結構な大手で、
「〇〇市の全ての物件を紹介できますよ。」と言われたのがとても心強かったです。
このように、
初期費用をとにかく抑えたい人には良いかもしれませんが、住みたい物件にこだわりがある人にはデメリットとなり得ます。
③隣人トラブルの可能性が上がる
家賃や初期費用の安い物件は、審査を突破しやすいので色々な人が住んでいます。
そのため、うるさい人・礼儀が無い人・共用部を占有する人などに当たる確率が上がります。
僕が内見に行った際も、
家賃の安い物件ではベランダが不用品の山になっていたり、
玄関前、郵便受け前のスペースに不用品や私物を置いたりしている住人が多い印象がありました。
また、
ある程度の家賃や初期費用を払える人はお金があるため心に余裕がある人が多いですが、
お金のない人は心に余裕がない人の割合が高く、些細なことでトラブルになる可能性があるので注意が必要です。
仲介手数料の交渉
仲介手数料の交渉は可能ですが、かなり困難です。
交渉を成功させるコツ
ここではネットで一般的に挙げられているものを紹介します。
①閑散期を狙う
不動産会社の繁忙期は
1~3月の「引っ越しシーズン」
9~10月の「人事異動シーズン」
があり、逆に
7.8月(1年で1番の閑散期)
11.12月
は閑散期となっています。
②予算を伝える
物件を探す際に、家賃の目安は伝えますが、初期費用の目安を伝えることは少ないです。
予算が少ないことを事前に伝えることで、
仲介手数料の安い物件を紹介してもらえたり、敷金・礼金等の値引きで調整してくれる可能性があります。
③AD付き物件を紹介してもらう
これは貸主(家主)が、
物件を優先的に紹介してもらうために不動産会社にAD(広告費)を支払っている物件です。
不動産会社はADという形でお金を受け取っているので、仲介手数料の値引きに応じてくれる可能性が上がります。
AD付き物件は自分で見分けることが出来ないため、
不動産会社で「AD付き物件が見たいです。」のように伝えましょう。
その他
- 値下げをしてくれれば契約することを伝える
- 他社との見積もりと比較する
- 自社管理物件を紹介してもらう(=仲介手数料なし)
仲介手数料を交渉した結果
結論から書きますが失敗しました。
交渉時のやり取り
実際に交渉したのは僕の友人で、僕はその場に居合わせていました
- 閑散期(7月)
- 空室期間が長い(半年以上)
- 予算が少ないことを伝える
といった条件下で
友「予算が結構ギリギリなんですけど、この初期費用というのは削れるところってありますか?」
不「そうですね、基本的には皆さんこの金額を支払ってもらっています。」
友「そうですか、この仲介手数料1ヶ月分というのはもう決まっているものですか?」
不「そうですね。」
友「これ以上安くなることは無い感じですか?」
不「交渉次第です」
ここで、若干空気がピリつき友人断念。
恐らく最後のやり取りで、仲介手数料が交渉できるのを知っている。と感じ取ったのだと思います。
閑散期で、そこまで条件の良い物件でもなかったのですが失敗に終わりました。
素人目ですが、交渉の余地すら感じませんでした。
仲介手数料の交渉は困難
どんなに交渉に有利な条件を揃えていても困難であることは変わりません。
理由①仕事に対する”報酬”だから
なぜ困難かというと、
何度も述べましたが仲介手数料は不動産会社の仕事に対する正当な報酬だからです。
家賃などは、建物の経年劣化や近隣の環境などの要因で物件自体の価値が落ちることがあるため、交渉による値引きや貸主(家主)自ら数年おきに値下げをすることがあります。
しかし、仲介手数料が発生する不動産会社の仕事には経年劣化も環境による要因もありません。
どんなにひどい物件や、どんなに下手な説明だろうと
借主(自分)と貸主(家主)の間に入り、仲介をするという仕事を全うし、
契約締結した時に報酬が発生します。
飲食店で、出てきた料理が口に合わなくても料金は払わなければならないのと同じですね。
不動産会社からしたら仲介手数料を値引く理由がありません。
理由②家賃1ヶ月分の1.1倍を払うのが当たり前の認識になっているから。
正直、これも大きな要因だと思います。
ほとんどの人は不動産会社に請求されるまま1.1倍の仲介手数料を何の疑問も持たずに支払っています。
交渉をする人も、交渉が可能なことも知らない人が大半です。
こういった現状から、仮に交渉を持ち掛けたとしても
じゃあ、1.1倍払ってくれる人と契約するから良い。
となってしまうため、意味がありません。
以上の事より、
よほどの不人気物件でもない限り、交渉による値引きは難しいでしょう。
もし、仲介手数料を安く抑えたいのであれば交渉ではなく、
始めから仲介手数料の安さを売りにしている不動産会社に行くか、
物件へのこだわりを捨てて、不人気な物件を選ぶ方が良いと思います。
少なくとも素人には仲介手数料の交渉はハードルが高く感じました。
まとめ
今回の記事はいかがでしたか?
まとめですが、
・仲介手数料の相場は家賃1ヶ月分+消費税
・仲介手数料が家賃の半月分や無料の不動産会社もある
・仲介手数料の交渉は困難
・家賃が高く設定されている可能性がある
・仲介手数料以外の初期費用が高く設定されている可能性がある
・近隣住民の民度に不安がある
といったことが分かったかと思います。
人生の大きなイベントの1つである引っ越し。
ただでさえ、買って揃えなくてはいけないものが多いのに
自分の手元に残らず、形のない仲介手数料に家賃1ヶ月分もの大金を払うのは少し気が滅入りますよね。
この記事を読むことで、新生活のスタートを少しでもサポートできていたら幸いです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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